柴田:音や声だけだからこそ想像力が働いて、異世界に行ったり、時代や時空、場所を超えたりということが簡単にできる。ポッドキャストはチャレンジングな仕事です。
一之輔:「ビジネスウォーズ」というタイトルですが、老若男女が楽しめると思います。4月から高校3年生になる長男も「続きを聴きたい」と言ってくれました。これは親としての威厳を保たせてくれる仕事だなと。笑点は威厳が下がるような仕事なので(笑)。
――ハリウッドで創立したポッドキャスト番組の制作スタジオ「Wondery」が日本でも始動します。オリジナルコンテンツも開発するそうですが、「いいしゃべり」の定義は。
一之輔:俺が聞きたいぐらいです(笑)。でも、自分の言葉でしゃべってるってことじゃないでしょうか。誰かから借りてきたフレーズをただしゃべってるだけだなとか、すぐわかるじゃないですか。
■「熱量」が決め手
柴田:その人が心の底から伝えたいとどれだけ思っているかが大事だと思っています。伝わるかどうかは、しゃべり手の熱量みたいなものが決め手になるんじゃないでしょうか。
一之輔:政治家のコメントや答弁もそうで、自分の腹から出た言葉でしゃべってる人の話って面白いし、聞こうという気持ちになる。そうじゃないのはすぐに気が離れちゃいますよね。このビジネスウォーズも台本は読むんだけど、ちゃんと自分の腹から出たようにしゃべれるようにしたいなとは思っています。
(構成/編集部・福井しほ)
※AERA 2023年4月10日号