パリ五輪が始まった。オリンピックは、普段なじみのない競技にも関心が高まる機会でもある。皇室のスポーツと言えば「テニス」の印象が強そうだが、ほかにゴルフやスケート、バドミントンといった五輪の競技種目としておなじみのものからダンスまで、さまざまな運動をたしなんできた。
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皇族がたしなむスポーツと言えば、「テニス」の印象が強いが、昭和天皇が好んでいたのが「ゴルフ」だった。
1917年の朝日新聞には、当時16歳の皇太子だった昭和天皇が、神奈川・箱根の宮ノ下御用邸(現・富士屋ホテル別館菊華荘)から仙石原のゴルフコースへ向かい、ご学友とコースデビューを果たして「御機嫌麗しく御帰邸」した、とある。
昭和天皇の弟の秩父宮、高松宮もゴルフを始め、静岡県の沼津御用邸や都内の新宿御苑、赤坂御所にコースをつくって練習するようになった。
同じ記事では、ゴルフの指南役だった西園寺八郎・宮内庁式部官は、3人の殿下が将来、欧米を訪問して各国の王族と交際するにあたって適した遊戯だとして、「心胆を落ち着け物に動じない精神を涵養(かんよう)する点においてもふさわしい」と述べている。
1921年に訪欧した際には、往復の軍艦の甲板で熱心に「デッキゴルフ」に興じている様子が報じられた。
朝日新聞によると、翌年には来日した英国のエドワード皇太子と東京・駒沢のコースでゴルフ対決。この日に向けて特訓に励んだ昭和天皇だったが、「たった1点差で摂政宮の負け」となったようだ。
昭和天皇とともに、妃の香淳皇后(良子東宮妃)もゴルフがお好きだったようだ。
当時の報道によれば、新婚旅行で訪れた福島県ではおふたりでゴルフを楽しみ、香淳皇后が懐妊した際は毎週の習慣になっていたテニスとゴルフをお休みしたという。