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カプサイシンは「脳内麻薬」を分泌する
――確かに激辛ラーメンなどを食べると、舌などが痛くなって汗が吹き出します。
山本 小さな子どもは本能的に拒否しますよね。では、なぜ人間が唐辛子を食べるようになったのか。それは、脇役として料理に添加すると食欲が増すことに気づいたからだと思います。
――食欲が落ちるこの暑い夏も、辛い物が無性に食べたくなりますね。
カプサイシンを摂取するメリットとしては、快感や多幸感を得る「ドーパミン」という脳内物質が増えることで、食欲が増進する点があります。
さらに、カプサイシンは脳内麻薬とも呼ばれ強い鎮痛作用がある「β‐エンドルフィン」の分泌を促します。
このβ‐エンドルフィンには、おいしいものを食べた時にそれを実感させ、食後の満足感、至福感を引き起こすという重要な作用があります。そこに唐辛子が加わると、さらにβ‐エンドルフィンが分泌されますから、おいしさが倍増することになります。
――「激辛」の食品にドハマりして、どんどん強い辛さを求める人がいるのは脳内物質のせいですか。
山本 まさにβ‐エンドルフィンの依存性によるものです。辛い物を食べる回数を重ねるにつれ、β‐エンドルフィンの分泌が弱くなり、同じ満足度を得るには唐辛子の量を増やさなくてはならなくなります。お酒のアルコールと似た部分があると思います。
――限界はあるのですか。
山本 カプサイシンにより、「快感」と「痛み(熱刺激)」の両方が増大し、後者が強くなると限界が来ます。ただ、個人差がありますので、どの程度の量が限界とは一概には言えません。
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