実際に、この舞洲のゴミ処理場にも、直線的なあしらいはまったく使われていません。
まるで童話の世界から飛び出してきたかのようなメルヘンな外観に、ゴミ処理場であることを忘れてしまうほどの楽しさがあると、世界中から関心を寄せられています。
また、芸術的な外観の一方で、その内部はゴミ処理場であることのギャップに驚いたり、日本人の環境を守る姿勢と遊び心が同時に現れた施設だと感じる外国人観光客もいるようです。
ちなみに、外観はいつでも見学できますが、日程によってはゴミ処理場の内部まで見学できるツアーが行われることもあります。訪問する際には事前に公式サイトを確認し、内部まで見学できる「オープンデー」なのかどうかを把握しておくのがおすすめです。
壮大な景観を楽しめる神磯の鳥居
3 朝日と荒波を背景に輝く鳥居
3つ目は、大洗磯前神社の神磯(かみいそ)鳥居です。茨城県大洗町の神磯の鳥居は、その美しい朝日が写真映えすると話題になり、フォトスポットとして一躍有名になりました。
神磯は祭神が降臨したとされる岩礁で、足を踏み入れてはいけない「禁足地」に指定されている、宗教的なパワースポットでもあります。
大洗磯前神社の祭神は、神話「因幡の白うさぎ」で知られる福徳を授ける神、大己貴命(おおなむちのみこと)と傷病治癒の神、少彦名命(すくなひこなのみこと)。神たちが世の苦しむ民を救うために降臨したのが、この神磯の鳥居がある場所です。
さて、なぜこの鳥居が外国人の間で有名になったのでしょうか?
人気の理由は、なんといっても壮大な景観です。太平洋から昇る朝日と磯に打ち寄せる荒波を背景に、凛とたたずむ鳥居は圧巻です。日の出時には多くのカメラマンが訪れ、シャッターチャンスを狙います。
朝は地元のお店や社務所も開いていませんが、多くの人たちがこの風景を見るために朝から鳥居の前に集まります。日が昇った後は神社境内にある、24時間採水可能な「御神水」で水をもらい、福を持ち帰ります。
夜の海に映える鳥居の影も幽玄で美しく、徳川光圀が「荒磯の岩に砕けて散る月を一つになして帰る浪かな」という和歌に詠んだように、静かな月とともに海辺で過ごす時間を味わえます。