海外で有名になったきっかけは、アメリカのCNNで「日本の最も美しい場所31選」に選ばれたことです。藤の花のシーズンには3000坪の敷地が、薄紫、白、ピンクなど、バラエティ豊かな22種類もの藤の花で埋め尽くされています。

 ちなみに藤の花のシーズン(4月下旬~5月上旬)が終わった、11月中旬から12月上旬にかけては、約700本の紅葉やカエデで園内が彩られます。

 そんな「河内藤園」には、50年以上もの歴史があります。創設者である樋口正男が、小学生の頃に読んだ本に感銘を受け「俺も何か1つこの世に生きた証しを残したい」と考えたことから始まりました。

 戦争を乗り越え、仕事も生活も落ち着いたころ、「この雑木の山に美しい藤を植え、みんなに見に来てもらえる藤園を造りたい」と思い、庭という形で生きた証しを残そうと、開墾を決意。開墾から50年たった今、最も古い藤の木は樹齢120年を超える大藤へと成長したのです。

 藤の花は、近年では『鬼滅の刃』から関心を持つようになった外国人も多いようです。『鬼滅の刃』には、藤の花がたびたび登場します。アニメや漫画で知った藤の花がどのようなものなのか、実際に自分の目で確かめたくなって、はるばる外国から訪れる人もいるようです。

世界で最も美しいゴミ処理場

2 大阪舞洲のゴミ処理場

 2つ目は、大阪舞洲にあるゴミ処理場です。大阪湾に浮かぶ人工島である舞洲には、美しい百合園や巨大なスタジアムがあります。

 そちらも綺麗なのですが、外国人観光客から知られているもう1つの特徴的な建造物が、このゴミ処理場です。世界で最も美しいゴミ処理場として、海外から注目を集めているのです。

 ゴミ処理場は、2008年に大阪にオリンピックを誘致しようとした際、会場の目玉となるモニュメントとして建設されました。結局、大阪オリンピックの誘致には成功しませんでしたが、舞洲のゴミ処理場自体は、予定通り建設計画が進められました。

 設計を手がけたのはオーストリアの芸術家であり、建築家であるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏。「自然との調和」を目指した作品作りで知られる彼の建築には、一切の直線がありません。それは「自然界には直線はない」という彼の信念に基づくものです。

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