
世界中がコロナ禍にあった20年の12月、愛子さまは19歳になった。誕生日の写真のなかの愛子さまは、パンツ姿にタイドブラウスという非常に控えめな装いだった。
石原さんによれば、ハイウエストのパンツは当時の流行。一方で、長めのリボンタイブラウスを選んだ点や色の組み合わせ方は、19歳という年齢を考えるとかなり落ち着いたデザインだという。由莉が首に巻く紅葉柄のバンダナは、背景に写る赤坂御用地の紅葉とさりげなく重なっている。

翌年に撮影された愛子さまの20歳の誕生日の写真。ここからは、精神面での成長をよりはっきり感じると、石原さんは話す。
「英国の伝統柄であるグレンチェックの上着に、流行りのアコーディオンプリーツのスカートを合わせた、学生らしい装いです。
20歳の誕生日といえば若々しさや可愛らしさを全面に出しがちです。しかし、愛子さまはコロナ禍で社会が疲弊している状況を踏まえた上で、本来の学生とはこうあるべきだと共感できるような服装をお選びになった。
ただ、由莉のバンダナだけは灰色がかったピンクを基調に赤いツバキの花が咲いた絵柄です。派手な色味は使わないが、由莉にはかわいらしい布地を選んであげたい。由莉へ対する姉のような、愛情が伝わります」
一見すると何気ない由莉とご一家のリンクコーデ。しかし、改めて振り返ってみると、愛子さまの成長を感じることができる。
(AERA dot.編集部・永井貴子)