書籍の出版や大学講師、ベンチャー支援と活躍
晴れて合格すると、ダンススクールをスタッフに任せて大学院に通いました。授業は実践的な内容が多く、なかでも「ビジネスシミュレーション」の授業が印象的でした。学生たちがチームごとにベンチャー企業を立ち上げるという想定で、社長、副社長、会計といった役割を決めて、ディスカッションを行うなどしました。
MBAを取得して実感したのが、今まで積み重ねてきた経営の知識が整理されて定着し、自らの経験や考えを的確に伝えられるようになった点です。そこで、23年に書籍『一生ダンスで〝食っていく〞ためのスクール経営術 踊るようにセカンドキャリアを切り拓く方法』を出版し、今年からは芸術系大学でエンタメ経営論の授業を担当します。さらに今後は特定投資家として、オンラインによるダンスレッスンなどの新しいサービスや技術を生むベンチャー企業を支援する予定です。そうやってダンス業界への貢献を続けたいと思います。
横山泰三(よこやま・たいぞう)/株式会社ネームレスプロダクション代表取締役社長。1974年福岡市生まれ。18歳で全日本ブラックビートダンスコンテスト史上最年少優勝。30歳でダンススクールStudio Landin'開業。45歳で立教大学大学院ビジネスデザイン研究科博士課程前期課程修了。50歳で金融庁が定める特定投資家として、ダンス×テクノロジー分野のスタートアップ支援を開始。著書に『一生ダンスで"食っていく"ためのスクール経営術 踊るようにセカンドキャリアを切り拓く方法』(合同フォレスト)
文/柿崎明子
※AERAムック『大学院・通信制大学2025』より