TTで防犯・交通安全呼びかけ チョコプラ、千葉で一日署長 =2019年12月7日
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 とにかく明るい安村がイギリスのオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出演して大成功を収めたことは、日本のお笑い界にとって大きな出来事だった。 

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 これまでは、言葉や文化の壁があるため、日本の芸人のネタがそのままの形で世界に進出するのは難しいのではないかと思われていた。

 しかし、とにかく明るい安村は、日本で一世を風靡した「安心してください、はいてますよ」のネタを、ほとんどそのままの形でイギリスで披露して、大爆笑をさらった。

 言葉や文化が違っても、何かを面白いと思う感覚にそこまで大きな差はないのではないか。日本の芸人がやっているネタの中には、海外で通用するものが実はたくさんあるのではないか。そのような考え方が広まり、今のお笑い界ではとにかく明るい安村に続く世界に通用するスターを発掘する動きが盛んになっている。

 そんな中で、また新たなヒーローが誕生した。チョコレートプラネットがアメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント2024』に出演して、日本でも大ヒットした「TT兄弟」のネタを披露したのだ。

 体操のお兄さん風の真っ白なシャツと短パンに身を包んだ2人が舞台に現れたとき、観客や審査員は「これから何が始まるのだろう?」と怪訝な表情を浮かべていた。

「TT Brothers」と名乗る彼らは、いろいろなシチュエーションからアルファベットの「T」の形を探していった。「T」の形が見つかった瞬間、彼らは嬉々とした表情を浮かべて「ティー!」と叫ぶ。そして、2人で両手を伸ばして「T」のポーズを作ったまま、リズミカルな歌とダンスを披露する。

 ネタのシステムが明らかになるにつれて、観客の反応が良くなり、笑い声も大きくなっていく。最後のくだりでは大きな歓声が起こり、多くの観客が立ち上がって「T」のポーズを作っていた。彼らはとにかく明るい安村と同じか、それ以上の強烈なインパクトを残していた。

有吉の壁で生まれたTT

 彼らの「TT兄弟」というキャラクターが生まれたのは、『有吉の壁』(日本テレビ系)の「ブレイク芸人選手権」というコーナーだった。かつて『エンタの神様』でよく見受けられたような、いかにも大衆ウケしそうなわかりやすいキャラクターをあえて演じる、というのがこのコーナーの趣旨だった。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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