WBC、メキシコ戦前の大谷選手と水原氏=2023年3月

「水原は、解雇が発表になる数時間前、韓国のソウルで行われているドジャースの試合中に、大谷と会話をしている様子が目撃されています。大谷は、ドジャースに入団して初のヒットを祝いました。この日の試合のチケットは完売し、ファンは大谷の活躍に驚喜しました。でも今朝の2試合目のダッグアウトは、昨日とは違う空気に包まれています。監督のデイブ・ロバーツはこのスキャンダルに関しては口を閉ざし、多くを語ろうとはしません」

 一方、ブックメーカー側の動きについては、 

「ブックメーカーの弁護士はESPNの取材に『彼(ブックメーカー)は大谷とは面識がなく、話をしたこともない』と語りました。水原は、ギャンブルが違法であることを知らなかったと主張し、二度とやらないと語っています。状況を複雑にしているのは、カリフォルニア州ではスポーツ賭博は違法ですが、他の州では合法であることです。水原は、普段自分が他の場所でやっている(合法的な)ギャンブルとは違うものだということを理解できていなかったと主張しています」 

 などと語った。 

 こうした内容は、ABC以外にもNBCやワシントン・ポストなどの大手メディアでも大きく取り上げていた。 

ギャンブルの負債の肩代わりに同意?

 このニュースが明るみに出たきっかけは、違法ブックメーカーとして連邦当局の捜査の対象になっていたカリフォルニア州在住の男性の調査を進めているうちに、大谷選手の名前が浮上したという情報をロサンゼルス・タイムズ紙がつかんだことだった。同紙からの問い合わせによって、大谷選手の弁護士事務所、ウェストハリウッドにあるバーク・ブレットラー法律事務所が水原氏の行動に目を向けたのだという。 

 ESPNの報道によると、解雇される前日の火曜日の夜、大谷選手のスポークスマンは、

「大谷は水原のギャンブルの負債の肩代わりに同意した」

 と語り、水原氏はESPNの90分のインタビューに応じた。

 だが、水曜日にそれが公開される直前、大谷選手のスポークスマンは前日の発言を撤回し、代わりに大谷選手の弁護士事務所から文書が発表されることを通達した。これが前述の「大谷は多額の盗難の被害に遭った」というブレットラー法律事務所からの公式発表になったのである。

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