液体の糖質は「ドカンと血糖値を上げる」

【鉄則3】一番いけないのは「液体の糖質」

 疲れ知らずで健康な体を保ちたいと考えたときに、絶対に摂るべきではない食材の代表が「液体の糖質」です。

 具体的には、液体に大量の糖質が溶け込んでいる清涼飲料水、缶コーヒー(無糖タイプを除く)、エナジードリンクなどです。

「○種類の野菜が摂れる」という売り文句の野菜ジュースや、果汁100%の果物ジュースも同様で、非常に多くの糖質を含んでいます。

 私自身、こうしたものは一切、口にしません。私の水分補給は、もっぱらミネラルウォーターで行っています。

 ではなぜ、そこまで液体の糖質を避けるのか。

 同じ糖質でも、米飯やパンのような固形物なら、?んで、胃で消化して……という時間がかかるため、血糖値の上昇も比較的緩やかです。ところが、液体だと消化の手間がいらないため、すぐにドカンと血糖値を上げてしまいます。

 この急激な血糖値上昇現象を、専門的には「血糖値スパイク」と表現します。

 血糖値スパイクが起きると、上がりすぎた血糖値を下げるために、膵臓からたくさんのインスリンが分泌されます。そして、そのインスリンの作用で、今度は血糖値が下がりすぎ、疲労感や吐き気などの症状を引き起こすわけです。

 血糖値スパイクを頻繁に起こしていると、そのたびにインスリンを大量に分泌する必要があり、次第に膵臓が疲弊していきます。やがて、疲れきった膵臓の働きが悪くなって、インスリンを出すタイミングが遅れます。すると、血糖値を下げることが難しくなり、糖尿病を発症します。

野菜ジュースやスポーツドリンクにも糖質がたくさん

 つまり、液体の糖質は、慢性疲労の原因になるだけでなく、糖尿病に罹りやすい危険な食材なのです。糖尿病に罹れば、その合併症で腎臓がやられ、さらに疲れやすい体になることは本書の2章で説明した通りです。

 気をつけてほしいのは、健康に良さそうな野菜ジュースやスポーツドリンクにも糖質がたくさん含まれていることです。

 実際に、学校の部活動でスポーツドリンクを多飲していた中学生が、いきなり高血糖で昏倒(こんとう)し、救急車で搬送された事例も報告されています。

 こうしたケースを「ペットボトル症候群」と呼びますが、若くして重症の糖尿病を発症しているわけで、実に深刻な問題です。

 たとえば、コカ・コーラはペットボトル500mLの場合、56.5グラムの糖質を含んでいます。これは、角砂糖14個分に相当します。

 とくに炭酸が入っている飲み物は、清涼感にごまかされ甘さに気づきにくくなります。しかし、ためしに蓋を開けたまま放置し、炭酸が抜けた状態で飲んでみると、砂糖水のような甘さに驚くはずです。

 つまり、清涼飲料水は、自分が想像しているよりも遙(はる)かに多くの砂糖を摂ってしまう飲み物なのです。

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