セ・パ交流戦では初優勝を果たしながら、トータルでは借金生活でBクラスに沈んでいる楽天。特にチーム防御率は12球団ワーストの数字で、早川隆久と藤井聖以外の先発はかなり不安定な投球が続いている状況だ。ドラフト1位ルーキーの古謝樹も楽しみな存在だが、もう1人先発の柱へと成長してもらいたいのが3年目の松井友飛だ。二軍では2年続けて6勝をマークするなど先発の中心として活躍。今年も6月1日のヤクルト戦では6回を投げて1失点の好投で今季初勝利をマークし、6月16日の広島戦でも先発で3回を無失点、4奪三振と結果を残した。

 ここまでの起用を見ると先発2試合、リリーフ3試合とまだ役割が定まっておらず、二軍でも時折不安定なピッチングは目立つものの、投手としてのスケールの大きさはチーム内でも屈指であることは間違いない。松井にとっては今のチーム事情はアピールのチャンスだけに、何とか後半戦は一軍の先発に定着したいところだ。

 セ・パ2人ずつ、合計4人の選手の名前を挙げたが、他にもまだまだ楽しみな選手は存在している。前半戦は田宮裕涼、水谷瞬(ともに日本ハム)の2人が驚きの活躍を見せてチームの躍進に貢献しただけに、後半戦も彼らのような選手が飛び出してくることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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