SNS「mixi」の画面。以前と大きくは変わっておらず、なつかしさがよみがえる。ユーザー数は減ったが、定期的にログインするユーザーも(写真:編集部・川口 穣)

「原因は大きく二つあると考えています。ひとつは開発能力。米国ベンチャーと比べ、資金調達のパワーや従業員ボリュームなどが劣っていました。もうひとつは実名制です。Facebookなどは実名を原則とし、社会人のプロフィールツールとしての地位を確立しました。ニックネーム制のmixiも実名制に移行すべきという議論はありましたが、そこに振りきれなかった。競合がシェアを高めていくなか、何が起きているのかを理解しながらアクションを取ることができなかったんです」

mixiは今もDNA

 ただし、mixiは今もコミュニケーションツールとして一定の利用者を抱え、同時に同社のDNAでもあるという。

「小文字で表記するSNS『mixi』に対し、社名は大文字のMIXI。これは、mixiの遺伝子を大切にしつつ、もう少し大きな『傘』としてコミュニケーションの総合カンパニーになるという意味付けなんです」

(編集部・川口穣)

AERA 2024年7月8日号より抜粋

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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