平成以降の留学先こそ多様化しているが、皇族の留学先といえば英国がかつては王道だった。

 昭和天皇は、皇太子であった20歳の1921(大正10)年、半年にわたる欧州5カ国への訪問のなかで英国王ジョージ5世のもとで立憲君主のあり方を学んだ。平成の天皇であった上皇さまは皇太子時代、19歳だった1953(昭和28)年に、英エリザベス女王の戴冠式に参列するため英国に滞在した。

 令和の天皇陛下秋篠宮さまも、青年時代に同国のオックスフォード大学に留学している。
 英国以外は、故・桂宮さまがオーストラリアの国立大学の大学院に、高円宮家の三女・絢子(あやこ)さんは、カナダのカモーソンカレッジと同国のブリティッシュ・コロンビア大学へ留学歴がある。どちらも英王室とつながりのある英連邦加盟国だ。

愛子さまの留学先は

 愛子さまは、文学部の日本語日本文学科に在籍し、源氏物語や新古今和歌集、奥の細道をはじめとする江戸時代の文学など、さまざまな古典を受講している。

 留学先として、どのような環境が候補に挙がるのだろうか。

 世界文学としての日本文学と比較文学を専門とする上智大学国際教養学部教授の河野至恩さんは、外国で日本学を研究するメリットは大きいと話す。

「日本学の研究ならば高度な専門性を持つ日本の大学や大学院で行えばいい。わざわざ海外で学ぶ必要性が理解できないと思われる方も多いと思います。しかし、海外で研究する強みは、なんといっても古典や美術史、比較研究など専門の壁を越えて日本学を学ぶことができる点です。
 学生や研究者は、これまでの垣根を超えて新しい視点を得られる。それを望み、海外で日本学を研究する日本人も少なくありません。あくまで一般論ですが、日本文学や古典を研究する学生であれば、幅広く他の学問分野から日本文化を学ぶメリットも大きいです」

 日本文学を学ぶうえで優れた拠点は、海外にもある。河野教授によれば、日本の古典文学や歴史の研究は、長年の研究の蓄積や充実した資料を持つ図書館が必要だという。そのため歴史を持つ大学などが中心になるようだ。

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