――マネジメントの醍醐味は何でしょうか。

工藤:チームを率いるようになってから、チームのメンバーがディールに成功して喜ぶ姿をみるのが楽しかったんです。それまでは、自分でディールをすることで手ごたえがあり、お客様の笑顔がやりがいだったんですが。

一度もディールを成功させたことがないと悩んでいた部下と一緒に取り組んで一度成功させると、次からは自分でどんどんアイディアを出して、自分で交渉して、時間を忘れ楽しそうに仕事をしていました。メンバーの成長をみて「マネジメントもいいな」と思ったんです。それに私が一人でディールをやるより、みんなができたほうがチームとしての仕事は大きくなりますよね。

三井住友銀行工藤禎子さん(撮影/写真映像部・松永卓也)

――自分より前に女性リーダーのロールモデルがいないという悩みはありませんでしたか?

工藤:リーダーに「正解」があるわけじゃないから。誰かと同じようにやらないと、務まらないということではないと思います。

 ロールモデルがいなければ、「継ぎはぎ」でいいと思うんです。あの人のいいところ、この人のいいところ、それぞれ取り入れて、自分のやり方を見つけてやっていけばいいんじゃないかな。リーダーシップの発揮の仕方も千差万別でいい。

私は、メンバーの成長に喜びを感じましたが、何に喜びを感じるかもひとそれぞれです。もし、やってみて喜びがなかったらやめればいい。苦しみ続けてまでやらなくてもいいと思います。

 それに、いまは誰もが出世や昇進に価値を置く時代ではなくなりましたよね。フォロワーという存在も大事ですし、フリーランスとして専門性をもって一人でビジネスもできる。

 でもチャンスがあるなら、一回くらい引き受けてみたらいいと思いますいろんな経験をしたほうが人生が豊かになる気がするんですよね。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年Amazonプライムデー開催間近!いつから開催か、おすすめの目玉商品などセール情報まとめ。
次のページ
若い世代は職業観が全く違う