――いまは一段高い役職に就かれています。マネジメント層と、会社の代表権がある立場とでどんな違いがあるのでしょうか。
工藤:経営会議のメンバーですから、会社全体のこと考えなければなりません。2つの軸で考えています。まず、この会社を存続させること。そのためにはどうしたらいいか。もう一つは、社会のためになりたいということ。未来も必要とされる企業となるための種まきをどうやっていくか。
未来にどうつなげていくかを考えていると、ジェンダーギャップよりもジェネレーションギャップのほうが大きな課題があると感じています。若い世代は職業観が全然違いますから。
――ジェネレーションギャップはどんなときに感じますか。
工藤:離職率が昔と比べて非常に高くなっていますよね。例えば、人生二毛作と考えていて、一つの会社にずっといるとは思っていない。お金をためたらアートの世界にいきたいとか、ある年齢以降は全く別の仕事をしたいと思っているが今の若い世代です。年功序列の終身雇用が会社の価値だと思っていない人も増えている。
そういう人はいま働いているこの会社は自分のキャリアにどう資するのか、と考えます。組織と個人がうまく対話しながら、お互いwinwinの関係をつくらないといけない時代になっていますね。フィットしなければ、個人は別の選択肢をとるでしょう。

――いつかやめるかもしれない部下を上司は大事に育てることができるでしょうか。期待していた若い社員がやめてしまうのは、私はとても悲しいです。
工藤:本当に、本当にその気持ちはわかります。さみしいですよね。私も部下が辞めるのはショックでした。どこが悪かったんだろうと落ち込みました。