今の時代にフィットした生き方や働き方の先にある女性リーダー像って? そんなテーマを掲げて編集長の鎌田倫子が女性リーダーにインタビューする連載。2人目は三井住友銀行副頭取の工藤禎子さんにご登場いただいた。今回は、前編・後編の【後編】。
〉〉【前編:「失敗は私に学びをくれた」3メガバンク初の女性副頭取が振り返る30代の苦しかった債権処理 三井住友銀行工藤禎子さん】から読む
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ジェンダーギャップよりもジェネレーションギャップ。女性総合職1期生として入行し、3メガバンク初の女性副頭取となった工藤さんがいま気になるのは世代間の考え方の違いだという。年功序列や終身雇用も崩れ、組織で働く意味も変わってきた。変化の激しい時代に、いかにしてマインドを保っていくか、考え方を聞いた。
――優秀であってもマネジメントに興味がなく、現場にいたい、そのように考える女性はいます。女性の管理職も増えて意識はずいぶん変わりましたが、働く女性はリーダーを目指すべきなのでしょうか。
工藤禎子さん(以下、工藤):全員が目指すべきとは考えていません。でも、チャンスがあればやってみればいいと思います。それに、やってみてできなかったらやめればいい、また戻ればいいのです。
私自身、美しく整ったと思える契約書やストラクチャーを作るのが好きで、ディール(取引)の現場が楽しかったので、ずっとディールをやっていきたいと思っていました。プロジェクトファイナンスの融資期間は10~20年くらいで礎となる契約書はプロジェクトによって異なりますが、出資者間契約、建設契約、原料供給契約、製品販売契約等々、多岐に亘ります。それらを読み込んでファイナンスストラクチャーと契約を弁護士とともに作り上げていきます。経験を積み重ねることによって、人々の生活に貢献できて収益化もでき、完成度が高くて美しい契約を結ぶことができるから。
また、先輩たちは、常に落ち着いていて、「みんなでこうやっていこう。ついてきてくれ。」と自分の考えをまず表明し正しい方向に導いていくタイプが多かったので、自分はそういうリーダータイプではないと思っていました。今でもたくさんの人の前で話すのはドキドキするんです。