IOC総会で、東京の最終プレゼンテーションの壇上で話す高円宮妃久子さま=2013年9月、アルゼンチン・ブエノスアイレス

外務省から評価の高いおふたり

 多賀さんによれば、外務省関係者の間で英語の評価が抜群に高いのは、雅子さまと高円宮妃の久子さまなのだという。

 雅子さまは米国での暮らしが長く、外務省時代には英オックスフォード大学への留学経験もある。1991年に米ベーカー国務長官が来日した際は、外務省北米2課に所属していた雅子さまが通訳を務めた。英語での基調講演を聞く際に、同時通訳は必要ないという。

「雅子さまの英語はさすがといいますか、知的で発音が滑らか。きれいな英語です。英語での接遇場面がほとんど公表されないのが、もったいないと感じます」(多賀さん)
 

 久子さまの高い語学力が広く認識されたのが、2013年にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)の総会の場だった。

 久子さまは流暢な仏語と英語で東京の魅力を発信し、東京への五輪招致を強力に後押しした。皇族が招致活動にかかわることに宮内庁は苦言を呈したものの、その確かな語学力が絶賛された。

 久子さまは英国の高校を経て、ケンブリッジ大学ガートン・コレッジを卒業。英語の著書も出している。3人の娘たちに聞かせていた話をまとめ、自身が英文で書き下ろした『夢の国のちびっこバク』は、絵本界の巨匠ブライアン・ワイルドスミスの絵で1996年に英国で出版、続けて日本語版も発売された。98年には『氷山ルリの大航海』を日本語版、英語版で同時出版している。
 

 いずれも高い語学力を誇る、皇室の方々。多賀さんは言う。

「これほど高いレベルの外国語の能力を保持する『組織』は、皇室以外にはないと昔から言われていました。皆さま、素晴らしい語学力をお持ちなのですから、もっと積極的に公表していただきたい」

(AERA dot.編集部・永井貴子)

暮らしとモノ班 for promotion
【再ブーム到来】撮ったらその場でプリントが楽しい♪インスタントカメラ「チェキ」