写真:Press Association/アフロ
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 天皇、皇后両陛下が29日、国賓として公式訪問されていた英国から帰国された。訪英は2022年9月に故エリザベス女王の国葬に参列して以来だった。皇室と英国との深い関わりを、これまでの記事で振り返る(この記事は「AERA dot.」に2022年9月11日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【貴重】なんと自転車でスイスイ。英国留学時代の天皇陛下(当時は浩宮さま)

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 英国のエリザベス女王の国葬に、天皇陛下が参列されることで政府が調整している。天皇陛下が葬儀に参列したのは戦後一度だけ。特別な措置に、両国の交流の深さがにじむ対応だ。 
 

「Dear Sister」

 上皇さまがかつてエリザベス女王につづった手紙。書き出しにはそうつづられていた、と皇室に仕えた人物は振り返る。エリザベス女王を「親愛なるシスター」と呼ぶほど、ふたつのロイヤルファミリーは、温かな交流を育んでいた。

 政府は、エリザベス女王の国葬に天皇陛下が参列する方向で調整している。過去一度の例外を除いては、天皇陛下が葬儀に参列することはない。それだけ、日本の天皇ご一家と女王は、親密な交流を育んできた証だ。

 平成の天皇皇后両陛下が英国を訪問した98年当時、多賀敏行・中京大学客員教授は在英国日本大使館公使としてロンドンにいた。

 国民がエリザベス女王に手紙を書くときは、「madam」を使う。多賀さんは、英王室の侍従長に「エリザベス女王に朝、お会いする際に何と呼ぶのか」とたずねた。

 返ってきた答えは、「Good Morning, ma‘am」だった。

「ma‘amは、マダムの省略形で英国では女王への呼びかけとして用いられますが、madamより親しみが表現される。上皇さまがエリザベス女王に『Dear Sister』と呼びかけたとすれば、女王から上皇さまには『Dear Brother』であったと思います。親戚同士でつながる欧州王室と同じように、皇室も家族の一員として親しい交流をなさっていた証だと思います」

1975年 来日したエリザベス英女王と東宮御所の庭を散策する当時の皇太子ご一家。左から紀宮さま、皇太子さま、礼宮さま、美智子さま、浩宮さま
1975年 来日したエリザベス英女王と東宮御所の庭を散策する当時の皇太子ご一家。左から紀宮さま、皇太子さま、礼宮さま、美智子さま、浩宮さま

 天皇陛下がエリザベス女王に初めて会ったのは、1975年の女王が来日したときだ。 

 女王は、元赤坂の東宮御所に明仁皇太子ご一家を訪ねた。浩宮さま(現・天皇陛下)と礼宮さま(秋篠宮さま)、と紀宮さま(黒田清子さん)が、ご両親と一緒に女王を囲むように温かく出迎えた。御所の庭を笑顔で散策する女王と皇太子ご一家。当時の写真を見ると、列を離れて歩き回る幼い紀宮さまの愛らしさに目がとまる。 

 女王と将来の天皇となる浩宮さまの縁は深い。 

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バッキンガム宮殿に招き、紅茶をいれた