AERA 2024年6月24日号より

「国は社会保障改革の徹底と賃上げを通じて、社会保険の国民負担率が上がらないように支援金制度を運営していくと説明しています。国民負担率とは、社会保険の負担額を国民所得で割った数値です。支援金の拠出は概ね負担能力に応じて行われますが、賃上げは個々の企業によって違います。こうしたことから、国民負担率が増えなかったとしても、個々の家計では負担増になるケースが出てくる可能性があります」

 賃上げが進んでいるのはもっぱら大企業で、中小・零細には浸透していない。にもかかわらず、マクロ指標(国民負担率)をもとに「実質負担ゼロ」とうそぶけば、国民から怒りを買うのは当然。真に求められているのは、制度導入の必要性と全国民が得られる恩恵について、真摯に説明することだろう。(金融ジャーナリスト・大西洋平)

AERA 2024年6月24日号より抜粋

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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