ROLLY。新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念のライブで(写真:MAYUMI)

近年はアイドル系も

「GOING STEADY、STANCE PUNKS……ワンオク(ONE OK ROCK)も出てましたね。最近ではSUPER BEAVERあたり。バンド人気の流れは、移転後もウチが作ってきたという自負はあります」

 ライブハウスのステージに立つのは、バンドやシンガーばかりではない。近年はアイドル系のライブも大きな柱となっている。大塚さんは言う。

「ハロー!プロジェクトのメロン記念日の出演は大きかったと思います。アイドルグループ、しかもメジャーどころのハロプロがロフトでやる。その後、BABYMETAL、でんぱ組.incなども出ています。Perfumeが『ロフト出身』と言ってくれているのもうれしいですね。BiSやBiSHもホームのように出てくれました。はじめは『ロフトでアイドル?』って反応もあったかと思います。だけどそれこそが音楽の多様性、面白い音楽を見せてくれるという意味では同じ」

 数多のアーティストやアイドルが出演するなか、小滝橋時代からの新宿ロフト最多出演数を誇るのが1984年結成、ヴォーカリストの「あっちゃん」ことATSUSHIさんのピエロルックがトレードマークのパンクバンド、ニューロティカだ。ATSUSHIさんがロフトへの思いを込めコメントを寄せてくれた。

「中3で初めてロフトに行き、通い、出演するようになりまして45年目。ロフトは父さん、母さん、学校の先生も教えてくれなかった事を教えてくれました。俺達だけの遊び場です。通算ライブ回数326回5月31日現在」

 多くのライブハウスは「飲食店」としての認可のもと営業を行う。ドリンクの提供はもちろん、ロフト系列のライブハウスはオムライスやカレーなどフードメニューも名物となっている。飲食と音楽を楽しめる場として、近年は「ろふとのせんべろ」と銘打った飲食に注力した音楽イベントも定期的に開催中だ。

何起こるかわからない

 コロナ禍での配信ライブの開催などの時期を経て、新たにライブ熱の高まりを感じたという。

「生で音楽を聴きたい、誰かと会える場に行きたい、そういうものを求めていたと思います。お客さんと出演者とスタッフがパフォーマンスを通じて、ときには終演後にもリアルなコミュニケーションがとれる場というライブの醍醐味。コロナ禍を経て、その重みはさらに増した気がします」(大塚さん)

 平野さんは言う。

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