崔真淑さん
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 先日、ある不動産会社の若手社員が、駅前で新築マンションのビラ配りをしていました。そのマンションは、多くの人が聞いたことがある好立地の場所です。にもかかわらず、ビラ配りとは……と気になった私は、ビラをもらうことにしました。

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 50平米未満の2LDKで9000万円弱という金額に、私はちょっと戸惑っていました。すると、その若手社員さんは、「この物件は、必ず価格が上がります! 値上がり益を使って、数年後に広い家に越せばいいじゃないですか! 頭金無しの変動金利35年なら支払いも緩やかです」と猛プッシュ。

 投資銀行にいた身としては、「金融商品だったら、必ず値上がり発言は完全アウトだよなぁ……そもそも必ず値上がりするなら、広い家のほうも値上がりして買えないでしょう……って、フル変動金利が前提なんかい!」とツッコミを入れたいのを抑えつつ帰宅しました。たしかに、巷の不動産広告を見ると変動金利35年を前提とするシミュレーションが散見されます。

 今回は、不動産購入において非常に重要な住宅ローン金利について考察します。

変動金利の利用率は7割

 住宅ローン金利は、ざっくり固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は、一定の期間または全期間、金利が固定されています。主に10年物国債金利が軸になり決まります。 一方の変動金利は、金利が変動するタイプで、主に銀行間金利で決まります。

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