昨年オフ、国内フリーエージェント(FA)権を行使して移籍したのは3人。そのうち西川龍馬(広島→オリックス)は打率2割台前半と苦しんでいるが、山川穂高(西武→ソフトバンク)はリーグトップの12本塁打、山崎福也(オリックス→日本ハム)はリーグトップの6勝と期待通りの活躍を見せている(成績は6月3日終了時点)。チームの好成績もこの2人の加入が大きく影響していることは間違いないだろう。
今シーズン中に国内FA権を取得する見込みの選手も実績のある選手は多い。しかしここまでの成績を見ると苦しんでいる選手が多いという印象を受ける。まず名前が挙がるのが阪神の投打の柱である青柳晃洋と大山悠輔の2人だ。青柳は2021年から2年連続で最多勝のタイトルを獲得するなど活躍。しかし昨年は8勝6敗と勝ち越したものの、防御率は4点台中盤と大きく成績を落とし、今年もここまで8試合に登板して1勝3敗、防御率3.83と結果を残すことができていない。
一方の大山も2020年から3年連続で20本塁打以上を放つと、昨年は19本塁打ながら全試合4番として出場し、最高出塁率のタイトルを獲得するなどチームの日本一に大きく貢献している。ところが今シーズンは開幕前から下半身のコンディション不良を抱え、シーズンに入っても一向に調子が上がらず、ここまで打率.199、3本塁打、19打点と中軸としての役割を果たすことができていない。
6月4日の楽天戦ではスタメンを外れ、試合後には岡田彰布監督が二軍での調整を明言した。青柳、大山ともに昨年オフには単年契約を結び、FA権を行使すれば争奪戦となると見られていたが、現在の成績では獲得に二の足を踏む球団が多くなりそうだ。
経験がモノを言うポジションである捕手もFA宣言すると人気となるケースが多いが、今シーズン中に権利を獲得する見込みの木下拓哉(中日)と大城卓三(巨人)の2人も苦しんでいる。木下は2020年にリーグ最高の盗塁阻止率.455を記録し、2021年には11本塁打、2022年には103安打を放つなど守備、打撃両面で活躍。しかし昨年は怪我で出場機会を減らし、今年はここまで盗塁阻止0で、19もの盗塁を許すなど打撃だけでなく持ち味である守備でも大きく成績を落としている。