伸び上がる真っ直ぐでフライを打たせ、スライダーやチェンジアップなどの変化球で空振りも取れる。スプリット系の落ちる球こそないが、体格なども含め今永と被る部分も多い。

「今永はシンノスケの刺激になっており、投げた試合の話をしていることも多い。良い意味でライバル心を感じており、自身がメジャーのマウンドに立つ姿も想像しているようだ」(中日関係者)

 昨オフにポスティングでDeNAから名門カブスに移籍した今永はデビューから9度の登板で5勝0敗、防御率0.84と大活躍、ナ・リーグ3、4月の最優秀新人にも選ばれた。5月29日の敵地ブルワーズ戦では5回途中7失点と打ち込まれたものの、投手陣の柱と呼んでもいい存在となっている。

 小笠原もNPBで屈指の成績を収めた左腕になることができれば、“今永効果”もありメジャーからの評価もかなり高まるはず。現在は再建中とも言える中日は小笠原が海外FA権を取得する見込みの2026年までローテーションの核に据えたいという考えもあるだろうが、そうなると小笠原が米国でプレーするのは30歳となるシーズンだ。

 中日にとっては早く抜けられるは痛いが小笠原の年齢、同じ左腕の今永の活躍、そして今季は安定的な投球を披露していることからも今オフが最高の“売り時”になり得る可能性は高い。

 今季からメジャーに渡った山本由伸はドジャースと12年総額3億2500万ドル(約511億1000万円)の超大型契約を結び、前所属のオリックスに5062万5000ドル(約79億6000万円)という譲渡金をチームにもたらした。また、今永も山本ほどではないが4年総額5300万ドル(約83億3000万円)の契約を勝ち取り、譲渡金は最低でも982万5000ドル(約15億5000万円)と高額だ。

 今季このまま小笠原が安定した投球を続けてポスティングとなれば、好条件の契約も見込める。そうなれば中日には少なくない額の譲渡金が入るはずだ。

「小笠原の気持ちを止めるのは難しい。海外FA権を取得して移籍してしまうならば、ポスティング制度で譲渡金を手に入れるという選択の方が良い気がする」(スポーツマーケティング会社関係者)

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今オフにメジャーへ移籍する可能性は高い?