山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「スキンケアで大切なこと」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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「どんなスキンケアを使っているの?」

 アメリカに来てからよく質問されることの一つが、肌のケア事情に関することです。初対面の人には、もちろんこんな質問をされることはありません。しかし、親しくなると、「あなたの肌はとても綺麗。どこのどんな化粧品を使っているのか、教えて欲しい」と言われるのです。

 「肌が綺麗だなんて、お世辞に違いない」そう思い、「化粧はしていないわ。洗顔後の美容液と、アイブロウパウダーで眉毛を描くこと、そして日焼け止めクリームを塗るだけよ」と拙い英語で答えるも、なかなか信じてもらうことができません。

 でも、ウソではありません。ここ10年ほどは、アイシャドウやファンデーション、チークといった化粧は一切していません。絶対に欠かさないのは、洗顔後の美容液と、外出前の日焼け止めクリームを塗ることだけです。「それだけ?」と思われるかもしれませんが、それだけです。

 アイブロウパウダーで眉毛を描くことも、実際には忘れがちです。しかし、人に会うといった特別なときは、なるべく書くようにしています。なぜ、アイブロウだけはケアしているのかと言うと、「眉毛くらい描いたら?」と日本で勤務していた時に、ナースさんから言われたから……。ナチュラルな眉毛になるように、ほんの少し手を入れるだけで、確かに顔が引き締まるように感じるので、なるべくなら毎日描きたいところです。

大学時代は欠かさず化粧

 そんな私ですが、大学生の頃は化粧品の一式を揃え、毎日欠かさず化粧をして大学に通っていました。下手なりながらに、毎日メイクを頑張ってしていたことを覚えています。しかし、大学を卒業後、夜勤業務が始まると、メイクを落とすタイミングを逃すことが増えていきました。長時間勤務のあとは、メイクを落とすのも忘れて寝落ちしてしまうという日々も、次第に増えていったのです。

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地方勤務でいよいよ基礎化粧品が