6月下旬の通常国会会期末まで、あと1カ月を切った。
【写真】「オールスター内閣」で入閣しそうな「次の総理」人気No.1はこの人
岸田文雄首相は、会期内の衆院解散・総選挙も視野に入れていた模様だが、4月末の衆院補選で自民党は保守王国の島根1区も含めて全敗。5月の静岡県知事選でも敗退という不人気が続く。
7月に投開票の東京都知事選も、現職の小池百合子知事に対抗する独自候補は出せず、小池知事を支援する公算が大きい。
直近のマスコミの世論調査でも、岸田内閣の支持率は横ばいか、若干下がる傾向だ。
おまけにこんなマイナス要素も出てきた。
内閣の中枢で、次期首相候補にも名前を連ねている上川陽子外相が、5月18日に地元、静岡県知事選で自民党の推薦候補の応援演説を行い、
「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」
と発言した。
「子供をうまない女性はダメだというような論調と受け止められてしまい、大炎上。知事選の敗因の一つが上川外相の失言だと思う」(自民党の静岡県議)
この状況では岸田首相も解散総選挙に踏み切れない。そこで、岸田首相が9月の党総裁選に向けて目指すのが、内閣改造による政権浮揚だという見方が浮上している。
過去に例のない内閣改造
これまで岸田首相の2度の内閣改造は、2022年8月、23年9月と、いずれも夏場に着手された。今回も夏になりそうで、「内閣改造は早ければ7月中でしょう」(自民党幹部)
次の内閣改造は、自民党の歴史で例のないものになりそうだ。
これまでの内閣改造は派閥の論理が優先されてきた。閣僚ポストは首相を支える派閥重視や派閥均衡、派閥推薦など、「派閥」の意向を重視して決まってきた。岸田内閣でも、岸田派以外は自身を支える安倍派、麻生派が主要閣僚を占めてきた。
しかし、今年1月、自民党の裏金事件で岸田首相は自らの派閥である岸田派の解散を決断。その後、最大派閥だった安倍派や二階派といった裏金事件に関与した派閥に加え、茂木敏充幹事長の茂木派など、6派閥中、麻生派以外の5派閥が解散することになった。