運用対象は全世界株式とS&P500(のインデックス型投資信託)。引き出し開始時点の資産は2000万円と3000万円の2種類。引き出し期間はいずれも20年。

 同じ20年でも「1986年引き出し開始・2005年終了」から「2004年引き出し開始・2023年終了」まで期間をずらして、過去の最良の引き出し率を探った。

全世界株式7%まで

 たとえば全世界株式2000万円を毎年4%ずつ引き出すと、20年の引き出し期間中ずっと、残高がほぼ1000万円を下回らなかった。でも、当初の引き出し額は2000万円の4%なので年間80万円=毎月6万円強と少なめ。

 一方、20年後の時点で残高1000万円を超えていれば途中で一時的に割り込んでも気にしないなら、年率7%まで引き出しても大丈夫だった。全世界株式3000万円なら9%まで引き出せた。

 全世界株式2000万円で1985〜2023年の各年の引き出し金額から1カ月当たりの平均額を計算すると月8万2000〜11万9000円となり、生活費の補助としてはまずまず。

 これらをまとめたのが、こちらの表だ。引き出し開始年により、20年後の残高は異なるが、2000万円を運用(保有)しながら率で引き出せば、なんとかなりそうな結果。

 全世界株式の「引き出し開始時3000万円」だと、次の表のようになる。当然、2000万円で引き出し開始よりも余裕があるが、1980年代後半から1990年代前半に引き出しを始めると、20年後には残高1000万円をわずかに割り込んだ。

S&P500は8%まで

 次にS&P500の2000万円の場合は、全期間で残高1000万円をほぼ下回らない引き出し率は4%だった。途中で割り込んだとしても「20年目の残高がほぼ1000万円以上」でよければ、年率8%までOKだった。1カ月の平均引き出し額は最低8万1000円、最高20万5000円。

 S&P500の3000万円は、全期間ほぼ1000万円以上なら年率7%。20年目の残高1000万円以上なら年率10%まで引き出せた。いずれの場合も、20年の長期なら全世界株式より1%多かった。

S&P500の試算表は次のページにあります)

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定率引き出し4%説は正しい?