霞が関の金融庁(撮影/朝日新聞出版AERA編集部・中島晶子)
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 新NISA2000人アンケート(*)から「国に聞かないと答えが出ない、一般のみなさまの質問や疑問」を金融庁に直接取材した。「改悪されるのでは」「国のハメ込みでは」など、直球質問。

【図表3つ】新NISAで買える・買えない金融商品まとめ表はこちら!

(本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024春夏号」から抜粋しています)

 本記事は【質問】「金融庁の回答」「★本誌の補足」の構成でお送りする。

【新NISAは「恒久的な制度で、死ぬまで非課税」というけど、いつまで続くか不安です。将来、制度変更があるのでは?】

「各人のライフプランやステージに応じて、長期にわたる資産形成を支援する制度が新NISA。多くの方が安心して使えるように恒久化を含めた見直しを行ったものである。

我々としては、制度を終了したり、時限措置に戻したりすることは考えていない」(金融庁)

★最も多かった質問がこれ。国民が安心して長期投資するために作られた制度で、根幹部分の「恒久化」を外す理由はなさそう。制度の微調整はあっても改良方向だろうし、「死ぬまで非課税」は簡単に動かせないだろう。

【最大1800万円の非課税保有限度額が拡大される可能性は?】

「新NISAははじまったばかりで、変わる・変わらないという段階ではない。まずは円滑に運営することが大事だと考えている。

もちろん、制度をよりよくするための検討は続けていく」(金融庁)

★改正があるとしても、すぐではない。今後は毎年の税制改正のタイミングで制度を改良していくことになる。限度額の拡大には国民の強い要望が必要か。

海外株投資を否定せず

【新NISAはキャピタルフライト(他国へ資金が流出すること)を助長しているようですが?】

「家計での安定的な資産形成には『長期・積立・分散投資』が重要だ。この『分散』面で、個人マネーの一部がNISA対象商品を通じて海外に投資されることは否定されるものではない」(金融庁)

★日本証券業協会が発表した新NISAの資料によると、2024年1〜2月に対面証券5社+主要ネット証券5社で買われたのは国内と国外が約半分ずつ。必ずしも海外一択ではなかった。

 ただ、このデータは資金量が比較的多い対面証券の成長投資枠で240万円が一気に日本株へ流れた可能性もある。NISAがキャピタルフライトを招いたかどうかを判断するには、現段階ではデータ不足。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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日本のお金が海外に流れてもいいの?