22位にランクインした野村の半導体株投資信託は設定から基準価額15倍に。主要ネット証券ではSBI証券のみ販売

 いずれも「eMAXIS Slim 米国株式」などよりもハイリターンを狙う人に好まれるが、危機感はあるか? 吉田さんはこうコメントした。

初心者を導くのは間違い

「より高いリターンを求めると、行き着く先はレバレッジを高めるか、投資先を絞り込んだ集中投資になります。

でも、背負ったリスクに対するリターンはどうかという効率面で考えると、銘柄数は多いほうが望ましい。

過去の高リターンに注目する投資を否定はしません。

ただ、投資初心者をそこに導くのは間違いだと思います」

不安にさせては本末転倒

 一方で、eMAXIS Slimシリーズに対抗した低コスト投信が数多く設定されている。競合他社の追い上げが気になる?

「低コスト投信を乱立させて資金フローを高めたとしても、運用体制が追いついていない、または会社の経営面が揺らいで投資家を不安にさせてしまっては本末転倒です。

eMAXIS Slimシリーズは、低コストでありながら運用面で高いクオリティーを提供することを愚直に実行していきます」

 最後に、新NISAの2大人気ネット証券であるSBI証券楽天証券それぞれの買い付け金額ベスト10も画像で発表しておく。それぞれ自社専売の投資信託がランクインしており、興味深い。

★印付きが、それぞれの証券会社の自社専売。「ウチでしか買えない投資信託」も囲い込みの一貫になりつつある

取材・文/向井翔太、中島晶子(AERA編集部)

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編集/綾小路麗香、伊藤忍

※『AERA Money 2024春夏号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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