国民にとってはどうでもいい
選挙後、ある公明党関係者は口元に笑みを浮かべて「我々の一部が応援しなかったら、乙武氏は供託金を没収されていたはずだ」と話した。また乙武氏の惨敗は、小池知事の政治力にも影を落とすだろう。小池知事は7月の都知事選で3選確実と言われるが、その政治的ピークが過ぎたことは否めない。
自民党がこれまでの(強い)自民党であり続けようとすれば、孤立無援は避けられない。時代は変わり、民意も変化した。自民党は「パーティー券購入者の公開基準額を5万円超にすれば、新人議員らが集金に困ることになる」と主張するが、国民にはそんなことはどうでもいいのだ。そして自民党にとって政治のパートナーであるはずの公明党も、変わりつつある。
それを看過して政権を維持できようか。今回の自公の合意決裂は、政治の大きなターニングポイントになるかもしれない。
(政治ジャーナリスト・安積明子)