ここ数年の国内女子ツアーは、日本人の若手プロが隆盛。特にコロナ禍前後で比較すると、“〇世代”と呼ばれる選手たちの活躍が目立つ。
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これはメルセデス・ランキングや賞金ランキングを見れば明らかで、例えば賞金ランクトップを見ると2020-21シーズンは稲見萌寧、2022年と2023年は山下美夢有が戴冠。トップ10を眺めても、軒並み20代前半の日本人プロがずらりと並ぶ。
“〇世代”が台頭する前の女子ツアーは、外国籍選手、特に韓国などアジアからやってきたプロたちが各ランキングの上位におり、国内のプロがそれに立ち向かうという構図だった。
10年前の2014年の賞金ランクトップ10には、5人の外国籍選手がおり女王のアン・ソンジュ(韓)から4位までを海外勢が独占。2015年、2016年はイ・ボミ(韓)が2年連続賞金女王になったことは女子ゴルフファンなら記憶に新しいはずだ。また2017年には同ランク上位10名中7名が海外勢だった。
そんな状況に変化が見られるようになったのは2018年くらいからだ。当時の国内女子ツアーは、プロテストに合格して得られるLPGA会員の資格がなくても、QTで結果を出せば参戦可能だった。しかし、2019年度からQTの制度が変更となり、出場資格がLPGA会員限定となった(2019年は移行期間として一部非会員も出場可能)。これにより外国籍プロのツアー参入の障壁が高くなった。ツアーに参戦するにはプロテストに加えQTも受ける必要があるため、時間、費用の両面での負担が増えるからだ。
これに加え、外国勢の多くを占める韓国勢の母国のツアー、KLPGAツアーが急成長。2010年前後は20試合程度だった試合数はここ数年30試合前後まで増え、日本に“出稼ぎ”に来る必要がなくなっている。
こうした背景とコロナ禍で海外の行き来を難しくなったこと、そして国内若手ゴルファーの成長もあり、コロナ禍からの女子ツアーはすっかり外国籍プロたちが陰を潜めている。2020-21シーズン以降に賞金ランクトップ10に入った外国籍選手は同シーズンと2023年の申ジエ(韓)のみ。今季もここまではイ・ミニョン(韓)の13位が最高だ。