神様がくれたご褒美
小泉さんには、とくに可愛がってもらった記憶があって、僕は“自称キョンキョンっ子”。じつは、17年ほど前に小泉さんに頂いたTシャツがあって、どんなに引っ越しを繰り返してもそれだけは手元に置いてあったんです。でも、時間が経つにつれ記憶が曖昧になり「これって、本当に小泉さんにもらったものかな? じつは違うんじゃないかな」と不安になって(笑)。
今回、久しぶりに現場で小泉さんにお会いできたので、Tシャツを家から持っていき、ご本人にお見せしたところ、やっぱり小泉さんが若い頃の僕にくれたものだとわかった。最高でしょ? だから、サインももらって。
この作品との出会いは、僕にとってはご褒美かもしれないな。ある程度、時間と経験を重ねてきた僕に、京都の撮影の神様、映画の神様が巡り合わせてくれた、特別なご褒美なのかもしれない。いまはそんなふうに思っていますね。
(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2024年5月20日号