東浩紀/批評家・作家。株式会社ゲンロン取締役

 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。

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 東京地検特捜部は2日、政治資金規正法違反の疑いで市民から刑事告発されていた萩生田光一前政調会長と世耕弘成前参院幹事長について、いずれも不起訴処分を決めた。他にも告発されている議員がいるが、決定は同じだろう。裏金問題は一部議員の起訴と幹部の懲罰人事で幕引きとなる。

 個人的には全く納得できない結末だが、問題は政治資金規正法自体の欠陥にあるらしい。弁護士の郷原信郎氏が8日に更新したブログが参考になる。政治団体宛てではない、政治家個人宛ての寄付が抜け穴になっているというのだ。

 抜本的な法改正が必要だ。連休明けの国会で審議が進むのだろうか。4月28日の衆院補選で自民は3区とも敗北した。野党に風が吹いているはずだが、議論が深まるかはわからない。政権にはまだ余裕があるからだ。

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東浩紀

東浩紀

東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン取締役。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』など多数

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