とはいえ、堅実な打撃はメジャーでも評価は高い。チームがトレード期限前までに優勝を狙える位置にいなければ、獲得に手を挙げる球団は少なくないという。

「今季の年俸は球団内で3位だが見合った活躍ができるか。大崩れしない打者なので欲しい球団は複数あるはず。状況次第でトレード期限前にプレーオフ進出を狙う球団へ移籍する可能性はあるでしょう」(スポーツマネージメント会社関係者)

 また、吉田以上に“トレード要員”として価値を上げそうな日本人選手がいる。それがブルージェイズの菊池雄星だ。今季がメジャー6年目となる菊池は、白星こそ2勝(3敗)にとどまっているが、8試合に登板して防御率2.64、47回2/3を投げて、46三振と素晴らしい投球を見せている。

 チームはレッドソックスとは違い、ここ数年はウラジーミル・ゲレロJr.一塁手、ボー・ビシェット内野手ら若手の主軸が出てきたことに加え、積極的な補強を敢行している。だが、世界一を目指すタイミングが来ているものの、結果がついてこない。今季も今のところ18勝22敗でリーグ最下位と苦しんでいる。
 
「チームは大型補強をしているが勝てない状況が続いている。また菊池は今オフにFAとなるため、他球団の有望株との交換に動く可能性は否定できない」(在米スポーツライター)

 菊池は今季がブルージェイズと結んだ3年総額3600万ドル(約56億1000万円)の契約最終年。かつ後半戦に向けて“勝ちモード”に入ったチームに重宝される先発投手だけに、吉田以上にトレードの価値は高まりそうな予感も漂っている。

「(このままの活躍を続け)オフにFAとなれば他球団に移籍する可能性もあるので、今季中の放出はあり得る。菊池の評価は高いので好条件でオファーを出す球団は多いはず」(MLBアジア地区担当スカウト)

 チームは今季、世界一を目指して球団史上最高となる2億2500万ドル(約350億円)を年俸に注ぎ込んだ。しかし結果に繋がらなければ、来季以降の戦いに向け舵を切ることも十分に考えられるだろう。

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