「お忍び」で訪れた恵比寿ガーデンプレイスで、愛子さまは皇太子さま(当時)と雅子さまと手をつなぎ、イルミネーションを楽しんだ=2007年12月、代表撮影/JMPA

「カゴの鳥」と報じられた雅子さま

 イルミネーションの見学は、愛子さまが生まれる前からのおふたりの特別な行事だった。

 ご結婚から4年ほどたった1997年12月24日のクリスマスイブ。おふたりは車で表参道に出向き、ケヤキ並木のイルミネーションを楽しんだ。おふたりが車から降りることはなかった。

 この時期、海外王室と比べて制限の多い東宮御所での雅子さまの暮らしぶりを、海外のメディアは「カゴの鳥」と報じていた。車窓から幻想的な光を眺める時間も、雅子さまにとっては貴重なひとときであったにちがいない。
 

恵比寿ガーデンプレイスで、フランスの高級クリスタルガラスブランド「バカラ」による世界最大級のシャンデリアを楽しむ皇太子ご一家(当時)=2007年12月、代表撮影/JMPA

 1991年から続いていた表参道のイルミネーションは、交通渋滞や街路樹への影響などのため、98年を最後に中止になった。

 そして2009年の冬、イルミネーションは11年ぶりに復活。照明は豆電球から、樹木への負担が軽減されるLEDへ変わった。そして63万個球の光が美しく照らすケヤキの並木道を、皇太子さまと雅子さま、そして愛子さまがお忍びで訪れ、楽しんだ。
 

ハーバード大学時代、恩師のオールドマン夫妻とクリスマスを過ごす雅子さま=1981年12月、宮内庁提供

都内のイルミネーション名所を巡り

 ご一家の仲むつまじさはその後も変わらず、家族そろっての「イルミネーションお忍び見学」は愛子さまが高校生になっても続いた。

 2018年12月28日、17歳の誕生日を迎えたばかりの愛子さまたちが訪れたのは、東京・六本木のけやき坂のイルミネーションだった。70万個のLEDが約400メートルの冬の散歩道を、青と白の幻想的な光で彩った。
 

ご結婚前の雅子さまが、感謝の心を込めて両親に贈ったクリスマスカード=1992年12月撮影、宮内庁提供

 皇太子さまと雅子さま、愛子さまの3人を乗せた車は、並木道をゆっくりと走った。ご一家はこの後も、都内にあるイルミネーションの名所を巡り、皇居のライトアップも楽しんだという。
 

 コロナ禍に入り、ご一家がイルミネーションを見学する光景は見られなくなった。愛子さまが大学生として最後のクリスマスを過ごす今年。ご一家で街のきらめきを一緒に楽しむ姿が見られるのだろうか。

(AERA dot.編集部・永井貴子) 

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