放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん
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昨年の「今ごろ」に話題になっていたニュースや出来事などを振り返ります。この記事は「AERA dot.」で2023年5月4日に掲載されたものです(年齢や肩書などは当時のまま)。

【写真】「テレビの仕事がなかなかないなか」と香取さん。 「新しい地図」の3人はこちら

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 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、新番組「まつもtoなかい」の初回を見て感じたことについて。

 フジテレビの新番組「まつもtoなかい」の初回放送を見た。僕はこの番組に携わってないので、非常にフラットに見ることが出来た。松本人志さんと中居正広さんがMCを務めるバラエティー番組で、初回放送のゲストは香取慎吾君。中居さんとは、「SMAP×SMAP」終了以来、テレビで6年ぶりの共演となる。

 僕は最初にこの話を聞いたときに、純粋に嬉しかった。やっとその時が来たかと。

 僕は中居さんをリーダーと呼んでいたので、リーダーと書かせていただくが、リーダーが病気になり、それを経ての共演。しかも松本さんという大きな印籠がある。

 色んな事に「意味があった」と思わせてくれる。

 久々にワクワクした。番組が始まり、初めて明かされる、この数カ月の2人の関係。

 メールで「死ぬんですか?」と書いてしまう香取慎吾君。それほどのことを書かないと、壁が壊れないと思ったのだろう。

 どの話をとっても、素敵な話だったのだが、この番組の中で、僕はもっともいいなと思った部分がある。「テレビについて」の話だ。

 香取慎吾君の口から語られるテレビとの距離。SMAPが解散し、香取慎吾君と稲垣吾郎君、草なぎ剛君の取った選択は、「テレビという仕事が減ってしまうかもしれない」と語っていた。

 そして、「テレビでの仕事がなかなかないなかで」とも語っていた。

 これって普通に放送されていましたが、凄いことだなと思いました。だって裏を返せば「なんでテレビの仕事が減るの?」ということだし、結果「テレビの仕事がなかなかなくなった」ということを言っている。その事実をベースに語っている。

 それをここでさらりと語れることもすごいし、何より、それをさらりと放送する番組側の姿勢にやられました。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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スタッフさん、何かと大変なこともあったと思いますが素晴らしかったです