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 近年、地域活性化の手法のひとつとしても注目される大学と民間企業などの産学連携。実際、各大学はどれほどの共同・受託研究を行っているのだろうか。「受験偏差値だけに頼らない大学評価」をコンセプトに、編集部の調査・収集データに基づき作成した『大学ランキング2025』(朝日新聞出版)では、「地域社会との産学連携ランキング」として同一県内企業、地方公共団体との共同・受託研究の実施件数を掲載している。今回、その一部を紹介する。

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研究資金受入額1381億円。大学の貴重な研究資金源に

 2022年度の大学などの民間企業からの研究資金等受入額(共同研究、受託研究、治験等、知的財産権等収入額)は約1381億円。年々増加傾向にあるが、四つの内訳のなかで共同研究が最も受入額が大きい。共同研究約3万件のうち共同研究費受入額1000万円以上のものが1832件。産学連携事業は大学にとって重要な資金源となっている。

 九州大は24年4月から、産連組織「オープンイノベーションプラットフォーム(OIP)」を株式会社化することを発表している。OIPは九州大の研究を社会実装に向けて産業界に橋渡しするべく、知財管理、資金や人材の獲得などの支援を行う組織である。法人化により、諸手続きや意思決定のスピードを上げることで、さらなる産学連携事業の活発化をねらう。九州大といえば特に、水素エネルギー分野の研究をけん引してきた。23年には九州電力と「水素燃料電池バスの運行」、ブリヂストンとは「バイオ・水素をはじめとするサステナビリティ領域での連携や未来起点のテーマ探索等」のテーマで新たに産学連携事業を発足させている。

北海道・東北の地域社会との産学連携ランキング

 北海道・東北にある大学の同一県内企業、地方公共団体との共同・受託研究の実施件数のランキングは次の通り。

1位:東北大/190件
2位:北海道大/96件
3位:弘前大/77件
4位:北見工業大/67件
5位:岩手大/55件

北海道・東北の地域社会との産学連携ランキング1~8位
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 関東(東京を除く)の地域社会との産学連携ランキング

 関東(東京を除く)にある大学の同一県内企業、地方公共団体との共同・受託研究の実施件数のランキングは次の通り。

1位:千葉大/87件
2位:筑波大/86件
3位:茨城大/78件
    横浜国立大/78件
5位:群馬大/70件

関東(東京を除く)の地域社会との産学連携ランキング1~8位
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