「会いたい人に会いに行く」は、その名の通り、AERA編集部員が「会いたい人に会いに行く」企画。今週は話題のバイト出身社長に、カレー大好き記者が会いに行きました。
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「最初は『ふざけているのかな?』って思ったんです」
そう話すのは、横浜市育ちの諸沢莉乃さん(22)。今年5月、「カレーハウスCoCo壱番屋」などをフランチャイズで運営するスカイスクレイパーの社長に就任した。
15歳でココイチのアルバイトを始め、21年には16人目となる本部が認定する接客のスペシャリストの称号「スター」を獲得。その活躍を見た社長の西牧大輔さん(現会長)から社長交代の打診を受けたのは、まだ20歳の頃だった。
大学も出ていなければ、経営の勉強をしたこともない。そんな自分に突然白羽の矢が立ったことを、どう感じたのか。そう尋ねると冒頭の言葉が飛び出した。
それでも、「冗談だったとしても、本気にさせよう」と思い、即答した。
「半信半疑ではあったけど、冗談だとしてもおもしろいし、その可能性が0.01%でもあるなら、『はい』って言っておいたほうが、話がくるじゃないですか。だから、『私でよければ』って」
その後も西牧さんと会うたびに、事業継承の話になった。「あ、本気なんだ」と気づいて2年。ついに、年商20億円企業の社長になった。
諸沢さんが社長に就任するというニュースは、瞬く間に話題になった。同社が打ち出したプレスリリースにも「驚愕の事業継承」「後継者に選ばれたのは22歳のフリーター!!」という文字が躍り、経済新聞でも取り上げられた。
新しい挑戦に期待が膨らむ一方で、「若さ」を押し出すことが足かせになったり、ネガティブに働くこともあるのではないか。そんな心配がよぎった。