※写真はイメージです(gettyimages)

 セクハラ、パワハラ、アカハラ、マタハラ……。刻々と増えるハラスメントに戸惑う人もいる。ハラスメント意識が高まる中、「逆パワハラ」も増えているという。AERA 2024年5月13日号より。

【調査結果】ハラスメントに敏感?敏感派が最多なのはこの年代!

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「不適切な言動」が何かと問題になる時代。TBSのテレビドラマ「不適切にもほどがある!」も話題を呼んだ。昭和の古い価値観に戻るのはあり得ない選択だけど、匿名のSNSで罵詈(ばり)雑言が飛び交う令和の「炎上社会」も息が詰まってしまう。そして、やっぱり気になるのが「ハラスメント」ではないか。誰もが被害者にも加害者にもなる可能性があるからだ。

 アエラが3月に実施した「ハラスメント」に関するネットアンケートでも、さまざまな意見や実態が寄せられた。

「昭和世代なので、以前は、まず朝のあいさつからハラスメントでした」

 と振り返るのは千葉県の50代の看護師の女性。

「疲れた顔してるね、夕べヤったの?」「イライラしているけど、生理中?」

 回答内容をそのまま引用したのは、ほんの数十年前までは確かにこんな言葉が「あいさつ代わり」になる日常が存在していたことを示すためだ。

境界線の変化に戸惑う

「セクハラ」という言葉がなかった時代。「歩くセクハラ」のような人もいたが、せいぜい「デリカシーがない人」で片づけられ、野放しにされていた。時代の変化とともにハラスメントに対する意識が高まっていることについて女性はこう吐露した。

「良いことだと思います。医師から、患者から、ハラスメントだらけでしたから」

 さまざまなハラスメントが社会問題化されるようになり、生きやすさにつながった人は少なくないはずだ。

「職場で先輩から皆がやらない仕事を強要されたり、夫から嫌なこと、不快に思うことをされたりした」と明かす東京都の60代女性は、「もっと早くこういう世の中になっていれば……と思う」とこぼした。

 現在進行形のハラスメントに苦しむ声も多い。その一方で、目につくのがハラスメントの「境界線」が変化していることに戸惑う意見だ。

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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