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 若い頃より集中力が続かないことを、年のせいにしている人もいるのではないだろうか? 順天堂大学医学部教授・小林弘幸さんによると、若い頃よりも年を重ねたほうが集中力は高まるそうだ。小林さんの著書『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』(アスコム刊)から、意外と知らない集中力と年齢の事実を紹介する。

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 ハーバード大学とBoston Attention and Learning Laboratoryの研究チームが2015年に発表した研究結果によると、集中力は年を重ねるごとに高まっていき、43歳前後でピークを迎えるとのこと。あくまでこれは一説であり、唯一無二の結論ではありませんが、総じて子どもよりも大人のほうが集中力が高いことは間違いありません。

高齢でも集中力が高い人の特徴

 年をとるにつれ、変わっていくものは多々あります。見た目的にも肌や髪の毛、体形などの変化がありますが、記憶力、判断力や理解力といった脳の「認知機能」もまた、加齢にともない低下する傾向にあります。物忘れが多くなったり、若いころにはできていたことができなくなったりすることで、つい落ち込んでしまう方も少なくないことでしょう。

 もちろん、集中力も年齢とともに低下する傾向にあります。前述しましたが、一般的に集中力のピークは43歳前後といわれており、それを超えると徐々に低下していきます。筋力の衰えは血流にも影響するため、脳の血流が低くなると集中力も低下してしまうのです。とはいえ、脳の働きの低下には個人差があります。日常生活のなかで、いわば「つねに頭を使っている人」は、認知機能や集中力を維持できる傾向にあります。

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小林弘幸

小林弘幸

小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などの勤務を経て順天堂大学小児科講師、助教授を歴任。腸と自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』など著書多数。テレビなどメディア出演も多数。

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年を取っても集中力が高い人は?