コロンビア大学からUCLAまで、全米でガザ支援デモに参加している大学生たちが真っ先に口にするのがこの「ブラックロック」という、世界最大のアセット・マネジメント企業の名前だ。
同社は、イスラエルに武器を提供している米国の大手武器製造企業に投資する金融商品も扱っている。
アーメッドに「あなたたちの要求に対しUCLAからどんな反応があったか?」と聞くと「今のところ、何もない。要求を通すまで、僕たちはここから動かないで主張し続ける」と言う。
アーメッドは、1980年代にUCLAの学生たちが南アフリカのアパルトヘイト政策に反対して「南ア政府とビジネスをしている企業への投資をやめろ」と大学に訴えてデモ活動をした例を挙げた。当時の大学側は、結果的にデモ学生たちの要求を飲んで投資先を変更したのだ。
「今は僕たちが抑圧されている番だけど、80年代の学生と同じように、歴史によって、僕たちが正しいことをしたと証明される時がくると思うから」と語る。
UCLAのキャンパスの中に設置されたガザ支援学生たちのテントの数は、4月30日の段階でおよそ100近くに達していた。
「デモに参加している学生の総数はわからないけど、2日だけ泊まっていく学生もいれば、毎日いてここから授業やバイトに通う学生もいる。テントで寝泊まりする教授もいるし、食料などの差し入れも豊富にある。基本、出たり入ったりは自由だから、全部合わせれば、参加者は数千人はいると思う」。
4月29日の夜中には、ガザ支援のテント設置に反対する何者かが、白いネズミがたくさん入ったバックパックをアーメッドたちのテントがある横の道に置き去りにし、夜中に白ネズミが一斉に地面を這い回る様子が、ビデオ撮影され、SNSで拡散されていた。
「ネズミを使った嫌がらせだけでなく、夜中になると外からやってきて闇に紛れて暴力をふるうグループが複数存在するんだ。大音響で音楽を鳴らし、ビデオを流したりするいやがらせもひっきりなし。だから夜眠るのはかなり難しい」とアーメッド。
だが、彼は「抵抗運動をする時点で、自分たちを守れるのは、自分たちだけだと覚悟している」と語り、外からやってくるグループがふるう暴力の制圧に関しては、大学には特に期待していないと語る。
「UCLA側にはイスラエル援助の投資をやめてくれることだけを要求している」。