それは、私の方が彼を好きだから。彼に「重い」「うざい」って言われるくらい大好きなので、彼に好かれたい、心地いいようにしたい、結婚生活をうまくいかせたいと思っていました。

はあちゅうさん(撮影/写真映像部・東川哲也)
はあちゅうさん(撮影/写真映像部・東川哲也)

――その大好きな彼が、離婚後は別のパートナーを見つける可能性も出てきますが。

 今はそこまで深く考えてないのが正直なところです。私が考えてないから、向こうも考えてないだろうと、勝手に思っちゃっているのかもしれない。

 ただ一生、一緒にいると思っていたときは、そのために我慢したり、譲り合ったりしなきゃと思い過ぎていました。社会からは夫婦はニコイチと見られるし、自分の中でも一心同体みたいな気持ちが常にあって。今は一歩引いて、相手のことを独立した個人として見られるようになりました。今後、お互いに好きな人ができたり、別の人と一緒に住みたくなったりしたら、新たな問題が出てきますが……。

――子育てしながら仕事していると、気づくと自分の中が空っぽで焦りを感じることがあります。今後のキャリアはどう考えていますか。

 私の場合、SNSでの発信が主な仕事なんですが、家で子育てをしていると、撮れる写真って限られるんですよ。一時期、私のSNSなのに夫と息子しか投稿していないと気づいて、私はどこへ行ったんだと思ったんですよね。自分の頭の中が、子どものおもちゃや、日曜日に出かける子連れ施設や、歯科や予防接種のこととかで埋め尽くされている。

自分が小さく見えてしまう瞬間 

 一方で、変わらずAV業界のトップで順調にキャリアを築いている彼は、「専門家」という私が絶対になれない立場を得ていて、活躍がうれしい反面、私は何かの業界で実績を積んだことがあったかなと、自分の気持ちが不安定になることがありました。どうしても彼の引き立て役みたいな構図になり、「あれ、私って20代は何してたっけ?」と。年間何冊も本出してました!? もう思い出せない(笑)。

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「じゃない方芸人みたい…」と感じる瞬間