「どうにか生き延びて欲しい」

「普通の日本人は、まずあの環境にはなじめないでしょう。しかも水原さんの場合、エンゼルスやドジャースファンの囚人から『チームの顔に泥を塗ったやつ』として報復される可能性もある。元ギャンブル依存症の俺としては、水原さんが極悪人だとは思えないけど、自分のケツは自分で拭くしかないよね。どうにか生き延びてほしいと思います」

 なお、水原容疑者が収容される可能性のある刑務所について、浜井浩一・龍谷大学教授(犯罪学)は、「連邦裁判所で裁かれているので、連邦刑務所になる」と話す。

「“人間倉庫”のような施設もある州刑務所とは違い、中央政府が運営する連邦刑務所は予算や職員研修などの基準が統一されていて、“スーパーマックス”でない限りは条件の良い施設が多い。犯罪組織との関係が問題視されなければ、脱税などホワイトカラー犯罪の囚人が入る警備度の低い施設や、依存症治療ができる施設に入所できる可能性があります」(浜井教授)

 水原容疑者は5月9日、連邦地裁に出廷して罪状認否に臨む予定だ。裁判ではどのような罪に問われ、どの刑務所に入所することになるのか。吉田氏のように、刑務所側の手違いで「生き地獄」に突き落とされる可能性もゼロではないが、適切な環境下で更生の道を歩んでほしい。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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