オンラインゲームにはまる子どもたち。下校後、同級生と待ち合わせる場所はサイバー空間。家が近くても直接会わず、早朝深夜でもオンラインで遊ぶ(写真:Getty Images)
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 住宅街にある放課後の公園は、かつてのようなにぎわいを見せなくなった。少子化の影響もあるが、コロナ禍で加速したオンラインゲームによるところが大きい。放課後、肩を寄せ合ってゲームをするのではなく、バーチャル空間で待ち合わせることが日常になった。遊びの変化は子どもたちの体力や視力、学力にも影響を及ぼしている。4月に発売された『知っておきたい超スマート社会を生き抜くための教育トレンド 親と子のギャップをうめる』(笠間書院)では、そんな子どもたちのリアルに迫っている。共著者の一人、大楽眞衣子さんが、現在の小学生の放課後の遊びにクローズアップする。

【写真】ゲーム依存で幻覚や失神も

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 数年前、中部地方の住宅街の公園でボール遊びが禁止された。近隣の住宅にボールが飛ぶからという理由だった。すると子どもたちはくもの子を散らしたように公園から姿を消し、それぞれ自宅にいながら友だちとつながるようになった。オンラインゲームだ。

 こうして同じ学区、同じ町内、同じマンションに住んでいながらも、リアルには会わずオンラインゲームやSNSでつながる遊び方が増えている。緊急事態宣言下のコロナ禍ではそれらが子どもたちにとって救いとなったが、世間がコロナ前に戻りつつあるからといって、子どもたちが手放すわけがない。

さみしさを抱えている子ほど

 世界保健機関(WHO)は2019年、ゲームには中毒性があるとし「ゲーム障害」を国際疾病分類の一つに認定した。アルコールやギャンブルと並んで治療が必要な疾病として取り扱われるようになった。依存性が強く、自分の意志だけではやめられないのだ。ましてや子どもとなると、なかなか自分でブレーキは踏めない。

 もちろんゲームにはまる全ての子どもたちがゲーム障害になるわけではない。この問題に関わってきた現場の専門家たちを取材すると、「心にさみしさを抱えている子ほど依存しやすい」と口をそろえる。

 多くのゲームは課金すればするほど強くなる仕組みになっている。そうすることで現実世界より優位な立場でいられる。ちやほやされる。バーチャルの世界だけでなく、学校でも一目置かれる。保護者の目の行き届かないところでゲームにはまり、「親のクレジットカードを使って20万円、30万円課金した」「親に内緒で父方の祖母にキャッシュレス決済で送金してもらっていた」というエピソードは決して珍しくない。

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