バラエティーで能力を磨いた

 その後、イエローキャブの分裂騒動を機にグラビアから引退、女優・タレントにシフトしていった。とくに、真剣にバラエティーに向き合う姿は業界内で高く評価されていく。

「番組に“華”を添える存在として扱われがちなグラドルの時代から、小池さんの番組への向き合い方は格別でした。そのいい例が、『めちゃ×2イケてるッ!』でしょう。名物企画『めちゃ日本女子プロレス』では現役アイドルがリングに上がり、本格的にプロレスに挑む姿が大ウケし、番組DVDが『小池栄子以前/以後』で収録巻が分けられているほど。小池さんが番組に与えたインパクトの強さを物語っています。ほかにも『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の名物企画『ウリナリ芸能人社交ダンス部』で見せた、壮絶な練習風景やレベルの高いダンスは日本中を感動させ、人気タレントとしての地位を不動のものにしました」(前出の記者)

 バラエティーで学んだことは女優業にも大いに生きているようだ。

「2007年に出版したエッセー『小池の胸のうち』によると、20代前半はバラエティーを“主戦場”と考えていたそうで、その中で生き残るべく研究を重ねてきたと語っています。コミュニケーション能力やトーク力、瞬発力、反応力など、総合的なスキルの高さが要求されるテレビ番組は、一種、舞台に似た即興性が求められます。本人がどれほど意識していたかはわかりませんが、これらの現場で培った能力や技術は確実に演技にフィードバックされているでしょう。自著では、グラビアデビュー直後に体形の問題で悩んだことがあり、『太ったら、小池栄子はもうおしまい!』と自らを戒めているともつづっています。こうしたストイックさも、成功の一因でしょう」(同)

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“演劇の街”として知られる下北沢出身