ギャラの交渉なんて、絶対難しいと思うんだ。ボクには、タレントのギャラの相場がどれくらいなんて全然分からないし。というか、そんなの知っているタレントのほうがきっと少ない。だから、いざ、独立して自分がそういう交渉の席についても、うまく伝えられる人ってごくわずかなはず。しかも、相手はそういう交渉を何度もやっているプロだったりもするから、ギャラ交渉の初心者であるタレントが勝てるわけがない。
奇跡的にうまく交渉が進んだとしても、そういうお金の話って嫌な印象としてすぐに周囲に伝わっちゃう気がするし。相手が納得するような絶妙なラインをつかないと、結果的に「二度目のオファーがこない」などの失敗につながる可能性のほうが高い。きっと、ボクだったら、法外なギャラを要求してしまったりして痛い目を見るだろうな(笑)。
もちろん、ギャラ交渉だけじゃなくて、そのほか、いろんな請求書やら税金やら、お金にまつわるいろんな書類にも目を通さないといけないんだから、独立ってほんと頭が痛くなるね。
ここまで読んでくれたらだいたいお分かりだろうけど、ボクには独立なんて絶対できない。そもそもボクは引っ越しすらも一人でできないんだから、そんな人間ができるわけがないよね(笑)。
独立すると、自分で仕事を取りに行けなきゃいけないケースもあるだろうけど、きっとボクの性格上、そういうのは面倒くさいから絶対後回しにしちゃう。仕事相手とのメールや電話も、最初は頑張るだろうけど、そのうちだんだんおろそかになるのも目に見えている。メールとか一斉送信を多様しすぎて、宛名などをいつかは絶対ミスするだろうな。あー、ボクには無理無理。
まあ、それに、ボクの場合、事務所である松竹芸能に不満があるわけじゃないから、独立する理由がそもそもないんだ。マネージャーとも、もう10年以上の付き合いだし、仕事に関してもすごく信頼している。何でも気兼ねなく話せる関係性だから、ダメ出しもしてくれるし、ボクもそれを素直に受け入れることができる。そんな存在の人に、また出会えるかっていったら、なかなか難しいのも分かっているからね。