小池知事の人生最大の危機

 1992年に政界に入って以来、小池知事は数々の危難をくぐり抜けてきた。とりわけ2005年の郵政選挙で兵庫6区から東京10区へのくら替えや、2016年の東京都知事選へのチャレンジは、大きなリスクを覚悟した上での判断として衆目を集めた。

 いずれも「チャンス」と考えて、自分から飛び込んでいったものだった。しかし今回の経歴詐称疑惑はこれらとは異なる。しかも4年前の都知事選での「経歴詐称疑惑」のように、コロナ禍を理由にその姿を隠すことはできない。小池知事の人生最大の危機に違いない。

 そんな小池氏との連携をかろうじて避けることができた自民党と公明党は、ある意味で運が良い。だが江東区長選や八王子市長選で小池知事の力を借りた都連会長の萩生田氏にとっては、次の“寄る辺”を見つけなければならないことになる。萩生田氏には前述した2728万円の裏金問題がある他、昨年には次期衆院選で新設される東京28区をめぐって公明党と対立。かろうじて都連会長の地位は維持できたものの、その求心力は低下している。

衆院本会議に出席した自民党の萩生田光一前政調会長

 小池知事しか頼る相手のいない国民民主党の迷走も、止まらないだろう。もはや小池知事はジャンヌ・ダルクではなく、日本を惑わしてきた存在に他ならない。様々なものを引き込んで、その悪運は間もなく尽きるのか――。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

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