例えば上司にミスを指摘され、修正するように指示されたとき。

〈課長、それってパワハラですよ。私を脅かすんですか?〉は、ハラスメント。〈これ、課長に言われた通りにやったんですけど〉もグレーゾーンになる。

 つまり正当な指導とパワハラを混同すると、ハラスメント・ハラスメントという新顔のハラスメントになることも。自分のミスが明らかなら、ここは「申し訳ありません。わからないところがあるので教えてください」と素直に上司の指示を受け入れたい。

「ハラスメントの正しい知識を持ち、アップデートを心掛けたり、誰もが行為者になる可能性を自覚したりすれば防げるハラスメントも多い。その言動を、自分の家族に対してできるのか、さらに自分の家族の前でできるのか?を想像しながら、言葉を発する前に一呼吸おいて考えるのがいいでしょう」(山藤さん)

 ざんねんな言葉も進化中だ。(ライター・福光恵)

AERA 2024年4月15日号より抜粋

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