――タレントの育成で心掛けていることはありますか
私は以前の芸能活動で周りに本音をさらけ出せず、孤独を感じて心が壊れてしまいましたが(前編参照)、今の若い子たちの孤独を理解できる部分があります。SNSで本音を発信している人は一握りだと思います。時代は違いますが、今の孤独感は昔の孤独感と本質は変わらないと思います。誰もがSNSで発信することが可能になり、表舞台に出る自分をプロデュースできる。でも、常に誰かとつながっている一方で心が満たされない。この時代だからこそ、本音を話せる場所が大事です。どういう自分になりたいのか、そのイメージを共有して個々のタレントが輝ける環境づくりをサポートしたいです。
ブラッシュアップ
――小阪さんはメンタルコーチという肩書もあります。
「米国アドラー大学院修士号」を取得した平本あきお先生が恩師で、いろいろ学ばせていただき、平本先生が認定した資格はほぼ取りました。私のいまのメンタルコーチは「本当は何がしたいの?」と見つける作業がメインになります。例えば、タレントで有名になりたいからといって、SNSでバズったりメディアに注目されて売れたりするのが、必ずしも幸せになることだとは限りません。「まずは売れることが大事」という考えは一理ありますが、港区女子じゃない子が港区女子で売れたらそれが需要になる。「これは私のやりたいことじゃない。180度違うことをやりたい」と方針転換したら、ブラッシュアップしないとファンはついてこない。「スタート地点を間違えたらダメだよ」と伝えています。