価値観の違い受け入れ

 大切なのは、共感をにおわせるだけのあまり意味のない相づちなんかではなく、「共感しようと努力する姿勢」。また〈君はどうしたいの?〉や〈とりあえずやってみて〉といった部下に委ねる指示出しも、リモートワークの時代はとくに覚えておきたいNGワードとなっている。

「毎日机を並べて仕事をしているわけではないので、その仕事の目的だったり、ポイントや注意点などを上司から部下に説明することが不十分になってしまうことが多い。それを忘れて、『どうしたい?』と言われても、部下は『どうもしたくないです』としか言いようがない。まずは説明することが先決です」

 こうした「自由にやらせる」タイプの指示出しには、上司の高度なマネジメント能力も求められる。リモート時代はなおさら、部下を知ろうとする上司や企業の努力も不可欠だ。コロナ以降、社員に盛んにサーベイ(調査)を行うことで、出社が前提だった時代の無駄話や飲み会の代わりに情報を収集しようという企業も増えているという。

「とはいえそんな能力は一朝一夕で身につくものでもありません。もはや相手を理解しようとしないでいいので、それより価値観の違いを素直に受け入れること。これが今のところの最善の方法です」

 かしこまりました。(ライター・福光恵)

AERA 2024年4月15日号より抜粋

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