リモートワークが普及しているが、上司がリモートより出社している部下をひいきするのは物理的な距離が心理的な距離の近さ遠さを生みがちだから。自分にもこうしたバイアスがあると認識することが重要だ(写真/GettyImages)

 リモートワークの浸透で以前はOKだった言葉も含め、NGワードが増えているという。最新の職場のざんねんな言葉を学ぼう。AERA 2024年4月15日号より。

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「『。』が付いているメールがコワい」とか、「メールを1往復以上やりとりすると、相手に悪い」とか、昭和生まれがちょっとやそっとじゃ理解できそうにない世代が、いよいよ社会に増えてきた。会社はXからZまで、さまざまな世代が行き交う交差点。うっかり発したひと言が爆弾投下とならないために、“ざんねんな”NGワード、NG行動を、専門家に聞いた。

 まず最新の、銘じておきたいキモといえるのは、リモートワークの広がり。かつては会社で当たり前だった対面のコミュニケーションの多くが、空気が伝わりにくい画面越しのコミュニケーションや、チャットやメールなど文字のコミュニケーションに置き換わった。

「とくにマネジャークラスには、的確な言葉にして指示をする言語化能力が強く求められるようになってきました」

 そう話すのは、『部下を育てる上司が絶対に使わない残念な言葉30~なぜこの言い方がNGなのか』の著者で、人事コンサルティング会社「人材研究所」代表の曽和利光さんだ。

「対面では、身ぶり手ぶりや表情も込みで通じていた、『ブワッとやって、シュッとやって、バーンとやったらいける……』といった、長嶋茂雄さんのような指示はもう伝わらない。同時に過去にはOKだったのに、今では『どの口がそれを言う?』と思われるような言葉も増えています」

 いい例が〈君の気持ちはよくわかるよ〉。マネジメント研修などでは「相手の話を聞くこと」、つまり傾聴が重要とされる。上司が部下の話をじっくり聞いたあと、つい言いたくなってしまうワードのナンバー1が、この「わかるよ~」だ。

「そもそも世代から現在の状況まで、何もかも違う相手の気持ちなど、簡単にわかるものではありません。さらに今は離れた場所でリモートワークをしていることも大きい。これを聞いた部下は、自分がどんなことに悩んでいるのか、今どんな仕事のどんな部分で苦しんでいるのかわかりもしないくせに、『え、何見て言ってるんですか?』みたいな気持ちになりがちです」

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